生徒が安心して英語を話せる“雰囲気づくり”が大切
国際高校では、「総合英語」「英語理解」の授業の中で全学年が週に1回、日本人教員とALTがペアで授業を行うTT(ティーム・ティーチング)を行っています。
今回、3年生の英語理解の授業を担当した富永健太先生、ブレット・ラーナー先生に、国際高等学校のTTによる英語授業の特徴とそのメリットについて伺いました。
富永健太先生
国際高等学校に着任して8年目。
洋書を読みこなす英語力をつける授業
国際高等学校では、TTでどのような英語授業を行っていますか?
富永先生:
授業では、1年生の総合英語及び2・3年生の英語理解の授業で、5冊の洋書を読みます。
1年生の1学期に児童書の『Matilda(マチルダは小さな大天才)』から始まり、小学生向けの本、中学生向けの本と徐々にレベルを上げていきます。
そして、今3年生が読んでいるのが、カズオ・イシグロさんの長編小説『Never Let Me Go(わたしを離さないで)』。
児童書からスタートして、最後は大人向けの洋書を頑張って読んでみようという形になっています。
授業ではまず、ラーナー先生がホワイトボードに5つの単語を書いていましたね?
富永先生:
毎回、2章ずつ読んでいくのですが、その中で重要な場面のポイントとなるキーワードをALTがいくつか挙げます。
今回は5つのキーワードをラーナー先生が挙げたので、生徒は5つのグループに分かれてそれぞれのキーワードに関する部分を読み込み、さらに関連するキーワードをボードに列挙していきます。
次に、各キーワードの部分がどんな内容であるかをグループごとに発表しますが、それに対して教師が質問し生徒が答えることで、内容への理解を深めていきます。
洋書を使ってTTの授業を行うのは、生徒にどのような力をつけさせることを目的にしているのでしょうか?
富永先生:
教科書や文法の本には載っていない小説ならではの言い回しや、文脈から読み取らないといけないものを感じてもらうことです。
将来、英語を使って活躍できる人材になって欲しいし、またなるであろう生徒たちに幅広い英語に触れてもらうというのは非常に大切だと思います。
授業中は先生も生徒も全て英語でやり取りをしていますが、ALTから質問されて、生徒たちは理解しているのですか?
富永先生:
理解しています。
ラーナー先生は、国際高等学校のALTの中でもおそらく一番速いスピードでナチュラルに英語をしゃべりますが、最初は戸惑っていた生徒たちも、今はラーナー先生が言ったことに対して笑いが起こったりしています。
ただ、先生の質問を生徒たちが理解できていないなというときは、私の方で少し分かりやすく言い換えたりすることで、生徒が質問の意図を汲み取れるようにしています。