都教育委員会では、日本型教育の体験や日本文化、東京の暮らし等に触れることができる外国人留学生の受入事業「東京体験スクール」を実施しています。
その第一回として、平成30年12月8日(土)から19日(水)までの12日間、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィンランドから生徒48名、引率者7名を受け入れました。
事業概要
時期
平成30年12月8日(土)から19日(水)まで(計12日間)
学校滞在は、日曜日を除く12月10日(月)から18日(火)まで(計8日間)
派遣元国・地域
- カナダ ブリティッシュ・コロンビア州
- オーストラリア クイーンズランド州・南オーストラリア州
- ニュージーランド
- タイ
- フィンランド
受入形態
- 留学生は、原則受入校生徒の自宅にホームステイ
- バディ(ホームステイ先の日本人生徒)と共に学校に滞在し、授業への参加、部活動や掃除等の日本型教育を体験
- 滞在中に、日本文化体験や街散策、先端技術関連施設の訪問を実施
来日2日目に、留学生に対するオリエンテーションを都内二箇所で実施し、日本に滞在するうえで必要なことを確認しました。
留学生達は、一人ずつ日本語で、自己紹介を行いました。
その後、留学生はそれぞれのホストファミリーと対面し、ホームステイ先へ移動しました。
ここからは、各受入校の先生方にご執筆いただいた、東京滞在中の留学生達の様子の一部を御紹介します。
白鷗高等学校・附属中学校
12月の東京体験スクールではオーストラリア クイーンズランド州、ニュージーランドより15名の留学生を迎えました。
今回の「白鴎プログラム」では英語以外の教科での「CLIL授業」を取り入れました。
高校1年生の数Aと中学3年生の社会(公民)の授業で、担当の先生方にはJETの先生とのCLIL授業を実施していただきました。
社会(公民)では様々な社会問題について意識を向け、パワーポイントを用いてディスカッションをリードし、留学生を交えて互いの国の現状を考えながら活発な意見交換ができました。
数Aの授業では生徒たちに授業で使用するプリントを事前に配布し、当日は留学生が白鴎生のグループに混じり、慣れないコンパスを用いて五角形を作図していました。
留学生たちからは、互いの意見交換を楽しみ、これまでにない、楽しい授業だった、大いに学んだ、というフィードバックをくれました。
このような交流授業を中心に、日本伝統文化の授業にも「授業バディ」の助けを借りて楽しく異文化を体験してもらいました。
また、留学生達が大いに楽しんでいた浅草寺観光も「白鴎プログラム」での恒例行事となっています。
富士高等学校
留学生を迎えて
3日目に、所属の第1学年の各クラスで、出身地であるカナダについてのプレゼンテーションを行ってくれました。
生徒からたくさんの質問が出ましたが、留学生は、一生懸命説明してくれました。
2回目の「芸術」の授業では書道に挑戦。
好きな言葉は「海月(くらげ)」???
初日から、放課後はあちこちの部活動に参加しました。
この日は「なぎなた部」。
構えなどの手ほどきを受けて、立派な立ち姿がとても凛々しかったです。
袴の着用はとても新鮮だったようです。
この日の放課後は茶道部の活動に挑戦。
慣れない正座はどうだったでしょうか?
部員との会話がとても和やかな雰囲気でした。
最終日の最後の授業は体育です。ダンス発表会に参加しました!
メンバーの助けで、一緒に踊ることができました。
留学生本人たちはもちろん、一緒に踊ってもらえたグループのメンバーたちがとても喜んでいました。
この後すぐ、帰国のためにお別れとなりました。
短い期間ではありましたが、お互いとても気心が通じ合って、別れが名残惜しい表情でした。
またぜひ、来日したいと言い残して、帰国の途につきました。
杉並高等学校
12月10日から18日まで、カナダから来日した東京体験スクールの男子高校生2人が来校しました。
また、12月11日から15日まで、本校と交流関係があるニュージーランドのダーガビル高校から女子高校生11名と先生2名が来校しました。
12日には、体育館で歓迎会を行い、13人の留学生の皆さんのスピーチがあり、本校ダンス部は歓迎アトラクションを披露しました。
午前中はバディの生徒と一緒に教室で授業を受け、午後は書道や茶道、日本料理などのわが国の伝統文化に接する活動も行いました。
14日の放課後、カナダ、ニュージーランド、日本の高校生がそれぞれの国のことを英語で紹介しあうミーティングを開き、有意義な時間を過ごす事ができました。
翔陽高等学校
12月9日(日)から18日(火)まで、翔陽高等学校では東京体験スクールプログラムに参加した3名のカナダからの短期留学生を受け入れ、交流活動を実施致しました。
滞在中のスケジュール
日時 | イベント |
12月9日(日) | 来日、各バディ対面、ホストファミリー受け入れ |
12月10日(月) | ALT及びJETとの対話・日本語講座、校内オリエンテーション、1~2年次生徒による歓迎会 |
12月11日(火) | 授業体験(書道)、着物着付け体験、部活動体験(弓道部) |
12月12日(水) | 通常授業に出席(バディが通訳を務める)、部活動見学(ダンス部など) |
12月13日(木) | 都主催行事に参加 |
12月14日(金) | 通常授業に出席、国際交流行事(1年次)に合流、部活動見学(家庭科部など) |
12月15日(土) | ホームステイ先家族との交流 |
12月16日(日) | 都主催行事に参加 |
12月17日(月) | 午前中 職員引率で高尾山散策、通常授業に出席、部活動体験(茶道部など) |
12月18日(火) | 通常授業に出席、1から2年次生徒によるお別れ会 |
12月19日(水) | 帰国 |
交流活動の様子
翔陽高校には、弓道部、和太鼓部、茶道部といった日本の伝統文化に即した部活動があり、留学生の皆さんはこれらの部活動を大変興味深く体験・見学していました。
また、書道、着物の着付け、家庭科部での調理体験、クラス活動でのかるたや福笑いなどのアトラクションを通じて、多彩な角度から日本の文化を感じる機会をもってもらうことができました。
また、翔陽高校の生徒としても、バディ役はもちろん、多くの生徒が、留学生の受け入れに当たり、事前の準備や期間中のおもてなしを頑張り、貴重な体験ができました。
言葉が通じなかったらどうしよう、という不安をもって臨んだ生徒も多くいましたが、英語をうまく話せなくても、身振り手振りを交えながら心を込めて接することで、十分なコミュニケーションが取れるんだ、という自信にもつながったようです。