日本人もネイティブと対等にやりとりできるというモデルを見せる
ALTは情熱をもてる魅力的な仕事です!
両国高等学校ALTのエドマ-・カスティリオ先生。
フィリピン出身。
両国高等学校で教え始めて2年目です。
授業では、生徒への指導にあたってどのような点に気を付けていますか?
エドマ―先生:
例えば、文法などの指導は別の授業でやるので、私はアクセントなど英語の話し方の部分を重点的に指導するようにしています。
生徒の指導で難しいことは何でしょう?
エドマ―先生:
同じアメリカ生まれでも州によってイントネーションが違います。
ALTも出身地はそれぞれ違うので、生徒からすると、あの先生からはこういうイントネーションやアクセントで習ったのに、この先生からは違うふうに教えられたというところで混乱してしまうことがあります。
それをきちんと分かりやすく説明するのが難しい点の一つですね。
日本の学生が使える英語力を向上させるために必要なことは何だと思いますか?
エドマ―先生:
生徒に自信をもたせることが一番重要です。
多くの生徒は自分の言った英語が正しいのかどうかすごく心配しますが、間違いを恐れないよう勇気付けてあげることが大切だと思います。
ネイティブスピーカーですら言い間違えることはよくありますから、そういう心配はしなくていいよ、と生徒にも言っています。
日本人教員とのコミュニケーションで工夫していることは何でしょう?
エドマ―先生:
一つの授業の中でどういった役割分担をしていくか、どういった授業を作り上げていくかということを日本人教員とよく話し合いながら構築していくことです。
綿密にコミュニケーションをとって、妥協点を見出す(compromise)ようにしています。
ALTとして活動する面白さは何でしょう?
エドマ―先生:
日本に来て、日本人の考え方が私たちと根本的に違うところは面白いと思いますね。
西洋の人はもっと目的や対象物にフォーカスした小さい見方をする傾向がありますが、アジアの人々はbig pictureで物事を大枠でとらえるのが好きだと感じています。
これからALTになろうと考えている人にメッセージをお願いします。
エドマ―先生:
生徒を指導する上で「忍耐強さ(patience)」は必要だと思います。
外国人の先生によっては、生徒につい「もっと速くしゃべるように」とプッシュしてしまうこともあるのですが、生徒に自信をもたせることが重要なので、もっとリラックスして、長い目で見て、落ち込ませないようにするよう先生にも忍耐強さが求められます。
また、日本人の職員、同僚の先生ともよくコミュニケーションをとってください。
ALTはとても情熱をもてる魅力的な仕事だと思います。私自身、日本で通訳者や言語学者として働くよりもはるかに楽しい仕事だと思います。